関東大震災避難記念石碑洗い

2021年9月12日(日)、関東大震災避難記念石碑の清掃を行いました。

 

■実施の背景

「関東大震災 避難記念石碑」は中央区と江東区をつなぐ新大橋のたもとに建てられています。

建立の背景にあるのは、大正12年(1923)年9月1日に発生した「関東大震災」。日本橋浜町も浜町小学校や日本橋倶楽部などの建物、中の橋をはじめとする多くの橋梁が消失するなど、大きな被害を受けました。

しかし、幸いにも明治45年に建設された新大橋だけは火災からまぬがれ、逃げ惑う人々の人命を救い、避難橋としての重責を果たしたとされています。避難記念石碑は、関東大震災から10年後の昭和8年(1933年)に有志の皆様によって建てられたもの。多くの命を救った新大橋を讃えるために建立されました。

ただ、建立から88年経った現在は避難記念石碑の存在は歴史とともに忘れさられ、石碑は苔に覆われ、周辺にはゴミも多く捨てられています。個人によって建てられた石碑のため「東京都」や「中央区」の管理下にはなく、長年整備されていない現状が明らかになったのです。

今回、日本橋浜町の住民の方から「自分たちの手で避難記念石碑をきれいにしたい」という声をいただき本プロジェクトを考案。有志の皆様とともに、石碑及びその周辺の清掃を行いました。

 

■当日の様子

当日ご参加いただいたのは31名の皆さん。そしてサポート役として、日本橋消防署浜町出張所の皆さんにご協力いただきました。掃除に必要な水は、消火栓から石碑までバケツリレーをして確保。これは、立派な防火防災訓練にもなるのだそう!

 

水とたわしを使って、参加者全員で丁寧に石碑をゴシゴシ。上の部分ははしごをかけて、慎重に磨いていきます。

 

石碑の汚れ以上に驚いたのが周囲のゴミの量。石碑の裏側には空き缶やペットボトルの他、大きなカーペットも捨てられていました。中には数十年以上前に捨てたと思われるゴミもあり、この場所は長く整備されていなかったのだと改めて実感。ゴミと合わせて、周囲の雑草も取り除いていきます。

 

およそ2時間の清掃が終わり、石碑は建てられた当時を思わせるきれいな姿に。「気持ちいいね」と参加者からは嬉しい声が上がりました。

 

今回は緊急事態宣言下だったこともあり、関係者と有志の皆様のみで実施しましたが、来年以降は一般の皆様にもご参加いただけるよう準備を進めていきます。いずれは日本橋浜町地域を代表するイベントの一つとなるよう、活動の普及にも力を入れてまいります。

 

〈イベント概要〉

・関東大震災避難記念石碑洗い
・開催日:2021年9月12日(日)9:30〜11:00
・開催場所:東京都中央区日本橋浜町2-57付近
・主催:一般社団法人日本橋浜町エリアマネジメント
・協賛:安田不動産株式会社
・協力:日本橋浜町の有志の皆様、日本橋消防署浜町出張所